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お知らせ
例年3月は人事異動の季節である。
日本では4月が新しい年度の始まりということもあり、年度末である3月に次年度への人的資源の配置として人事異動が行われる場合が多い。
振り返って考えてみると、この「サラリーマン」という職業、稼業は、長い人生——大学を卒業してから約40年間続くとすれば——果たして採算が合う職業なのかどうか、慎重に見定める必要があるように思うのである。
人事異動を実施する前提というのは、職種が変わるが同一会社に留まることである。
つまり、一つの企業に勤務し続け、従来は営業職だったが今度は製造部門へ、あるいは東京から地方や海外へと、職種や勤務地が変わるというわけである。
私は、このような会社内での人事管理システムが今後とも有効に機能するかと問われると、そうは考えていないのである。
なぜかというと、会社も個人も世界の競争に負けてしまうからである。
それぞれの個人は、日本国内だけでなく世界を相手に競争する時代になっている。営業職から製造部門へと点々と渡り歩いていくと、組織全体の競争力を下げてしまうことになるだろう。
従来は、そのような異動が組織能力を向上させるとされていたが、現在の技術革新の速度を考えると、人間の能力の拡大速度よりも技術の変化の方が速く、正確な予測が不可能であるため、私はそうは思えないのである。
希望しない人事異動の辞令が出されると、従業員が辞職するという話を聞いたことがあった。何年前のことだっただろうか。当時の私は、それがうまく理解できなかった。
しかし、今この年齢、この時代になると、やはり本来自分がやりたい仕事を続けるために、人事異動を拒否するという選択肢もあるだろうと思うのである。
それが、個人と会社の能力を向上させると私は考えるのである。
皆様はどのようにお考えでしょうか?
写真は少々見にくいですが新聞の人事欄より