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【CJ現場リポート 2005年5月】付加価値を付ける現場での管理は?

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お客様のご紹介で浦東地区にあります組み立て業者様へ先日訪問してきました。

この会社様では中国国内ですべての部材を調達され、組み立てが完了した製品は全量日本へ輸出されておられます。将来的には、こちら中国国内市場にも販売をしてゆきたいとの事業計画をお持ちですが現時点では100%日本向けでした。

加工の現場では70名の作業員の方が「所狭し」という状況で作業をされていました。ここ2年間ほどは、好調な日本からの受注に支えられ、4年前に完成した工場は既に狭い状況になっていました。

工場全体を拝見させて頂き、そして管理部門の方とのヒアリングなどを行ったのですが、実は大変驚いたことがあります。

製造現場なのか?倉庫なのか?出荷ヤードなのか?の区分が分からないくらい現場の整理が出来ていないのです。こちらの総経理の方も最近の受注量の増加と、中国国内調達の部材の納品がなかなか希望通りの時間になされないために、常に半製品の状態で部材待ちが発生し、そうこうしているうちにまた新たな受注が日本から入ってくるという状況です。その間には、いろいろ品質上の問題や納期の問題などが発生し、常にその対応が後手後手にまわるといういわば悪循環との事でした。

社内での毎回の会議では現場を整理することや、品質重視の方針などを何回も言葉にして、幹部スタッフを中心に話しをしているとのことでしたが、なかなか現場への落とし込みが出来ず具体的にどのように対応すれば良いのかが分からない状況との事でした。そこで私の方からは、下記のようなご提案を申し上げた次第です。

  1. まずは加工場そのものには一切ものを置かない。加工場はまさに付加価値を付ける現場であり、物置や倉庫、ましてや出荷ヤードではない。
  2. 2年以上使用していない部材は勇気を以ってこの際、捨てる。
  3. 品質管理上は一気にあれもこれも改善するのではなく、製品ごとに5項目の管理ポイントを設けてこれらの項目だけは必ず守る。

このようなご提案を申し上げました。

また、以前のこのレポートでも書きましたように、通訳の方のコミュニケーション能力にも若干問題がありました。この総経理ご自身が中国語では簡単な日常会話程度しかできず、この通訳の方が現場のスタッフに伝えていることが、果たして正確に伝わっているのか?と疑問を持っておられたとのことです。

コミュニケーションとは『言い手』と『聞き手』との間での情報伝達ですので、まずは言葉での情報伝達に頼るのでなく、簡単な絵やポスターなど量の比較的少ない文字の手段にて情報を伝達するようアドバイスをした次第です。

御社では付加価値を付ける現場ではどのような管理をされているでしょうか?

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