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【CJ現場リポート 2004年9月】

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8月末にお客様と四川省の成都郊外に出張する機会がありました。

私は上海から成都に飛行機で飛び、そのお客様は武漢から成都に飛び、お互い成都空港で待ち合わせというスケジュールで、当日私は虹橋空港に行きました。当日利用する飛行機はCA4516便で虹橋空港15:55出発で成都空港到着予定が18:30のスケジュールでした。

チェック・イン・カウンターで搭乗手続きを済ませ、空港利用税なども購入し、虹橋空港の15番ゲートから搭乗するため待って、ほぼ定刻通りCA4516便に乗りました。

ところが機内に入りますと、どうも機内の空調設備の調子がおかしく、ほぼ満員の乗客からはスチュワーデスにクーラーをつけてもらえないか?という依頼、いやほぼ喧嘩ごしの会話が機内のあちこちで起こっていました。

スチュワーデスは、航空機の主エンジンと機内のクーラーは連動しており,まだ主エンジンを動かしていない今はクーラーがきかないという説明にしきりでした。

すでに機内は蒸しフロ状態のまま、滑走路に移動し、まさに今から飛び立つのだな~と思っていた時に、機内放送で航空機故障のため、もとに戻りますとのアナウンスがありました。

この時点で時間としてはほぼ1時間半以上経過しており、既に18時近くでした。その後、私の乗った飛行機は到着ロビーにもつけることも出来ず、虹橋空港の滑走路の隅のスペースでドアーを開け、外気を入れ、機内の温度を少しでも下げるようにしておりました。

スチュワーデスは、ジュースなどの飲み物を乗客に配ったりしていましたが、中国人乗客からは

『何時になったら一体空港到着ロビーにもどれるのか?』

という怒りのような声が洪水のように起こり、機内は騒然とし、最終的には、19時過ぎに乗客全員が虹橋空港の到着ロビーにたどり着けました。

成都空港でのお客様との待ち合わせ時間はすでにとっくに過ぎており、お客様にはご迷惑をお掛けするわけにはいかず、当日21:25分発の四川航空3U566便にて成都に到着した次第です、成都到着は深夜の0:20分で当初のスケジュールから遅れること、ほぼ6時間でした。

そのお客様には中国出張中の貴重な時間が、私の利用する航空機のスケジュール変更により大きく変更になった旨お詫びをし、翌日の早朝、時間を繰り上げ何とか成都での仕事を終えた次第です。

さて、今回ご一緒しましたお客様は中国内陸部(内陸部と言いましても農産物のため、その栽培基地は幹線道路からは遠く離れている)に良質の原料があるので、その原料を加工(上海などのような沿岸地区にて)して対日輸出するという事業デザインを考えられておられ、今回の成都出張はその原料調達に関する業務確認が目的であったわけです。

このお客様の事業計画としては、大変素晴らしい発想をされており、私自も大変関心を持っております。

ところがこのお客様は中国社会と日本社会の基本的な違いをまったくご存知なく、あくまでも日本基準で全てを判断しようとされていました。

一つの例としては中国内部で取れる原料を上海などの沿岸地区に運ぶ際の時間と費用に対する認識などもそうでした。ご本人は大型トラックで約3日もあれば中国内陸部から上海などの沿岸地区に到着するであろうという前提でお考えでした。

そのような判断をされるのは、どうやら中国人通訳の方が中国の運送会社に電話をし、確認した際に大型トラックであっても現在高速道路があり3日もあれば十分という返事であったとのことです。

私が上海から成都まで利用しようと思ったCA4516便の場合でも、スチュワーデスすら、機長のほうから故障の原因や修理にかかる時間などの詳しい情報が無かったようで、最終的にはその飛行機(CA4516便)は私が四川航空で成都に出発する21時ごろも「キャンセル」という表示ではなく、遅れ(delay)の表示のままであったのです。

航空機での輸送と中国内陸部からの原料の陸路での輸送は違うと思いますが、こちら中国では、運送にかかる業務については、日本社会の常識とはまったく違うことをそのお客様に申し上げた次第です。

こちら中国では急速な経済発展により中国国内航空各社は、そのサービスの向上に努められ、数年前からみますと遥かにそのサービスの品質の向上はみられますが、まだまだ改善する余地が多いと感じるのは私一人ではないと思います。

このように航空各社ですら、トラブルが発生した時の乗客にたいする情報公開が不十分な状況の中、中国の内陸部部から上海などの沿岸地区に原料を運ぶということに関して、よほど事前の十分過ぎるくらいの調査が必要と考えます。

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