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【CJ現場リポート 2004年12月】

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通訳能力=表現力×文脈理解力×専門知識

表現力

日本語での表現能力で日本語1級のライセンスを持っていることなどで主に学校での学習がその基礎となる要素。

文脈理解力

話の流れを把握する能力とも言えるもので、言い手の次の発想を事前に察知する能力と聞き手の理解の度合を感知する能力。

専門知識

通訳をする専門分野の知識。日本と中国との文化面での違いなどの理解も含める。

お世話になっています会社で、日本本社から製造部長の方が約3ヶ月間の予定で現地法人での製造現場の改善のために来られました。

この部長様は、過去中国には2度ばかり来られた経験をお持ちで、当然中国語は挨拶程度しかできませんが、打ち出される製造現場での改善策のどれもが原理原則に則った体系立ったものでした。

この会社様では、設立以来このように日本本社の製造部責任者の方が長期間中国に滞在され、こちら現地法人での指導をされたことはなかったようです。この部長様のお人柄といい、その真摯な業務に対する態度といい私自身が逆にいろいろ教えて頂いたような気がしております。

先日は、この会社様の製造部の全社員45名に対して勉強会を行なうとのこと参加いたしました。

いつもの通りこの部長様のお人柄が全面に出る社内勉強会の内容でしたが、そこには大きな問題がありました。通訳の方の問題です。

当日通訳を担当された方は今年26歳の女性の方で、日本の広島県の方に約1年間滞在した経験をお持ちの方でした。通訳のレベルは日本語検定1級のライセンスは、ご本人はお持ちではありませんが、日常業務の進め方や、日常業務での通訳レベルを日常的に拝見しましてごく平均的なレベルの通訳の方と判断しておりました。

ところがこの部長様が現場での具体的改善策を説明し出したとたんに、いつもは光り輝いていた通訳能力に雲が掛かったような状況になりました。

管理部門での通訳は可能であっても、製造現場での通訳はこの方はできなかったのです。PDCAサイクルの運用の仕方から管理の定義そして社内での付加価値のつけ方などの内容になりますと、どうも通訳の内容が怪しくなりました。

そこで私の方から、若干補足説明をさせて頂いたわけです。

今月の通訳能力に関しては、上記にあると通りそれぞれの表現力と文脈理解力と専門知識の3要素が掛け算で求められるものと思われます。

大学で日本語を専門に学び日本語1級のライセンスをお持ちの優秀な方であっても、企業内の業務上の通訳には絶対的専門知識の量が不足しているためと文脈理解力の測定がしっかりなされているか?どうかで単に言葉ができると言うだけでは業務上の即戦力には成り得ないものです。

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