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【CJ現場リポート 2004年11月】

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先日、上海市内で事務所から最寄の地下鉄の駅である中山公園までタクシーを利用したのですが、目的地である中山公園の地下鉄の駅に着くまでに、このタクシーの運転手さんと大変面白い会話ができました。

今月はこの時に上海の平均的なタクシーの運転手さんとの会話から、日本人としての強味について考えてみたいと思っています。

ストーリーは私の乗ったタクシーがある交差点で信号待ちのために、一時停止した時から始まりました。日焼けした健康そうな(?)物乞いのおばちゃんが、我々の乗ったタクシーに近づいて来て、小銭の入ったカップをチャラチャラと差出し、小銭の物乞いをはじめたのですが、私はその時は運転手さんの隣の助手席にキチンとシートベルトを締め乗っていた訳ですが、この運転手さんが交差点で信号待ちが終わり車をスタートしたあとで、

『最近、公安局はこのような物乞いの取り締まりを人権があり、以前にくらべ緩やかになってしまった。日本ではこのような物乞いはあるか?』

と突然、上海訛りのキツイ普通語で私に聞いて来るのです。この運転手さんとはそれまで一言も会話を交わしていなかったのですが、目的地を告げる私の拙い中国語を聞き日本人と判断したのかもしれません。私は、

『以前の日本では確かにこのような物乞いはあったが今はない』

と答えました。

その後、この運転手さんが言うのは

『日本はアメリカについて世界第二の豊かな国だが、どうして資源もなく、人口も少なく、小さな国土でアメリカに次ぐ世界第二の豊かな国になったのか?』

と聞いてくるのです。

恐らく13億とも言われているこちら中国人の素朴なしかも平均的な疑問、また驚きとして、なぜ日本が中国と比較して資源もなく、国土も狭く、人口も少ないのにアメリカに次いで世界第二の経済力をも持つようになったのか?をわれわれ日本人が改めて振り返る必要があるように思うのです。

最近日本の書店に行きますと、アメリカ版の企業戦略論を中心とした経営関係の出版物が多いですが、私は若干違った捉え方をしています。

確かに企業の戦略は重要ですが、日本がここまで何の資源もない状況から世界第二の経済力を持つようになったのは、決して戦略がずば抜けて素晴らしかったからではなく、製造業であれサービス業であれ、企業の現場での改善活動などが世界のどの国よりもずば抜けて効率的かつ有効に行なわれた結果だと思うのです。私はここに他国が持っていない、我々日本人の企業運営面での強味を感じるのです。

中国に進出された日本の企業の現場では、日本での現場と違う状況に各社様とも驚かれますが、我々日系企業は現場での改善力・現場での管理力に対してもっと自信をもっても良いように思います。

当然ここは中国ですから、日本国内と同じわけにはいかないことが多いと思うのですが私はだからこそ

  1. ホウ・レン・ソウ[報告・連絡・相談]強化
  2. 全員参加型に近い社内管理体制の確立

この2つが日系企業での社内管理の基本中の基本になるように思います。

そのためにも先月の「CJ現場レポート」にも書きましたが、社内でのコミュニケーションが重要になってきます。

各企業様の現場での①具体的目標設定②現状分析③行動④進捗管理という4段階で現場を管理されれば、より素晴らしい成果を出すことができると思っています。

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