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【CJ現場リポート 2004年3月】

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先週、昨年の7月から支援業務でお世話になっていました某日系食品製造メーカー様でISO9001:2000年版の本審査がありました。

その審査結果は3ヶ所の軽微な不適合を指摘されましたが、現場審査はシステムに合致しているということで3項目の改善処置報告書を提出し、この書類での審査がOKですと認証取得ということになりました。過去8ヶ月間、頑張ってシステム構築に努力したこの会社様の皆さんにエールを送りたいと思います。本当にご苦労様でした。

このISO9001に関しては、世間ではさまざまな方がさまざまな場所でさまざまな意見を交換されていますが、私自身は日本でのISO9001以上に、こちら中国ではうまく運用すれば日本以上にマネジメント面で良い効果が生まれるように感じております。

今回指摘を受けた3ヶ個所の中で、もっとも印象的でしたのは規格条項番号5.3の『品質方針』に関してです。この5.3の品質方針の中には、ISO9001の規格要求事項として5項目が挙げられており、その中の4番目に『品質方針が組織全体に伝達され、理解されることを確実にすること』という要求事項があります。

現場審査の時に、各ラインの責任者(班長)に、審査員の方がいろいろヒアリングをしたようですが、中には品質方針すら知らない、あるいは自分の日常業務とこの品質方針がどのように関連するのか?が説明できない班長さんもいたようです。

この製造メーカー様は、繁忙期には全社で210名くらいの社員数になり、常駐の日本人管理者の方は1名です。通訳にはかなりレベルの高い中国人女性が1名います。既に生産を開始してから丸3年経過しており、本年で第4年目を迎えており、日常の生産活動は何の問題もなく遂行できるレベルまできています。董事長の方はさらなるレベルアップのために少なくともISO9001は取得しておかなくては?ということでスタートした経緯があります。

このISO9001の社内勉強会では、幾度となく、品質方針から始まり、手順書、帳票の確認まで、ことこまかく勉強会を行なったのですが、本審査の際には肝心な品質方針すら全社的に確実にされていないという状況でした。

日本人管理者と生産現場での班長さん、さらには一般ワーカーとの距離を強烈に感じた次第です。

こちら中国において全ての現場管理を一人の日本人が行なうことは到底不可能ですので、そこには組織立った管理体制が必要になるように思います。

ISO9001そのものは人材に焦点を当てるところは少ないのですが、日系企業の場合には、少なくともこの社内教育、社内トレーニングを各階層ごとに行なう必要があります。そこに日系企業での品質管理の強味があるように感じるのは私ひとりでしょうか?

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